社会貢献
ハンディキャップテニスへのサポート
デフリンピック2013 ソフィアのご報告
日本女子テニス連盟
財務委員会 委員長 小泉 弘子 様
作成者 日本ろう者テニス協会
コーチ 内藤 公広
デフリンピック2013 ソフィア 報告書
日本女子連盟の社会貢献事業「ラブ基金」デフリンピック激励金の援助をお借りしまして2013年7月23日~8月6日までの期間ブルガリアのソフィアにて第22回デフリンピックに参加しました。選手の結果・世界のデフテニス状況・今後の日本デフテニスの課題などを報告させて頂きたいと思います。
■試合結果
《男子シングル》
松下 哲也
1回戦 BYE
2回戦 0-6 1-6 PANYUSHKIN Egor(ロシア)
芦野 正樹
1回戦 BYE
2回戦 2-6 3-6 FLETCHER Lewis(イギリス)第5シード
《男子ダブルス》
芦野 正樹・松下 哲也ペア
1回戦 BYE
2回戦 5-7 6-4 3-6 PANYUSHKIN・LAPIKO(ロシア)
《女子シングル》
豊田 恵子
1回戦 6-0 6-1 DEMIR Gizem(トルコ)
2回戦 0-6 1-6 FLECKNSTEIN Verrena(ドイツ)第4シード
《ミックスダブルス》
松下 哲也・豊田 恵子ペア
1回戦 2-6 3-6 SEKHAR・JAFREEN(インド)
試合の結果は良いものとはなりませんでした。
特に初日に行われたミックスダブルスでは、勝てるチャンスがあるペアでしたが、松下選手の調子が上がらず良いプレーにはなりませんでした。インドペアは攻撃的でサーブやアタックがとても速く苦労しましたが、強化合宿の成果が出ておりブロックボレーで対応できていました。それだけに勝利を得る事が出来ず残念でした。
シングルに目を向けますと、相手が格上であった事で勝利は難しかったですが、最後まで諦めずに喰らいついておりました。芦野選手に関しましては第5シードの選手に健闘しておりました。ただ、相手のサーブをブレイクする事が出来ず勝利までには至りませんでした。
ダブルスでは、松下選手を倒した選手の相手でしたが、ポーチを含めたコンビネーションプレーであと一歩の所まで行く事が出来ました。最後は相手が2バックする作戦に対応しきれず負けてしまいましたが、緊張感のある素晴らしいゲームをしてくれました。
■世界のデフテニス状況
世界のデフテニスの現状は、日本に比べると恵まれている国が多く感じられました。
オリンピックと同じ扱いで報奨金が支払われる国もあれば、強化目的の練習や遠征での費用は支給される国があるなどサポート体制が整っている国が特にヨーロッパで多く感じられました。
ただ、それよりも大きく感じた部分は、再来年に行われるヨーロッパでのデフテニス選手権で12歳以下14歳以下の大会も開かれる事になったという事です。
世界の国々でも聴覚障害者のテニス選手を発掘・育成する事は難しいようで、現時点で才能のある選手がいても次に続く選手がいない場合が多いようです。そこでヨーロッパでは12歳以下や14歳以下の年齢別の大会を開くことで、ジュニア期からのタレントを発掘し育成する試みを行う事になったようです。
この様にヨーロッパを中心にハンディキャップテニスにおいても競技力の向上を目的とした、試みを既に始めようとしている状況を感じ取る事が出来ました。
■日本デフテニスの課題
課題の部分は大きく分けて2つあると感じました。
- 1 レベルの高い試合の経験
- 海外の選手は元ATP保持者・IMGへの留学経験者など、セミプロとして活躍した選手・している選手がおります。その選手と対等に戦う為には、レベルの高い選手との戦う経験を増やしていく必要があると感じました。特に海外の選手のサーブは速く一般レベルでの練習では経験できないものでした。大学生・実業団・プロとの練習の機会をどの様に増やしていけるか?を考える必要を感じました。
- 2 年 齢
- 今回の派遣選手の年齢は松下38歳・芦野30歳・豊田30歳と年齢的にはスポーツパフォーマンスのピークを超えている選手と言わざるをえません。今後日本でも、ジュニア期を中心に聴覚障害者の方々にもっとテニスを行ってもらえる環境の整備や、現時点で補聴器を付けてテニスをしている難聴者の方々にデフリンピックを知ってもらい、目指してもらう環境の整備が必要だと感じました。これらの活動には、我々協会の努力も必要ですが、皆様のご協力も必要になります。もし、お近くで補聴器をつけてテニスをされている方がおられましたら、日本ろう者テニス協会やデフリンピック等の情報をご存知か聞いて頂き興味があるようでしたら、ぜひ我々にご紹介して頂ければ幸いです。
■最 後 に
今回のご支援は、自己負担金額40万円と言われた私達にとって、とてもありがたいご支援でございました。お陰で選手は、お金に心配することなく大会に挑む事が出来ました。
今後ともご支援ご協力をよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
日本ろう者テニス協会 役員・選手一同